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ハリウッド特急便
映画「ラスト」誤射死傷事件、アレック・ボールドウィンの訴追が取り下げられる
(2023年4月21日14:45)

映画「ラスト」の撮影中にアレック・ボールドウィン(65)が拳銃を誤射して撮影監督が死亡した事件で、検察当局がボールドウィンに対する過失致死罪の訴追を取り下げたことが分かった。米メディアが報じた。
2021年10月21日、西部劇「ラスト」の米ニューメキシコ州の撮影現場で、ボールドウィンが撃った小道具のピストルに実弾が入っていて、撮影監督のハリナ・ハッチンズさん(当時42)の胸にあたり死亡した事件で、同州サンタフェ郡検事局はボールドウィンを過失致死罪で訴追していたが、取り下げられたと米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)が報じた。
ボールドウィンの弁護士は「我々は、アレック・ボールドウィンに対する訴えを棄却するという決定に満足している」と述べたという。「ラスト」の撮影は今週モンタナで再開される予定だという。

ハッチンズさんは撃たれた後、現場で手当てを受け、その後ニューメキシコ大学病院に搬送されたが、死亡した。ボールドウィンは銃の引き金を引いたことはないなどとして無罪を主張していた。「ラスト」撮影現場を捜索した捜査員は、セットのあちこちに実弾とダミー弾が混在しているのを発見したと述べていた。
1月、特別検察官は、「アレック・ボールドウィン、ハンナ・グティエレス=リード(小道具の銃器担当)、デビッド・ホールズ(助監督)、この3人のうち誰か1人でも自分の仕事をしていれば、ハリナ・ハッチンズは今日生きていただろう」と指摘していた。
訴追が取り下げられたことを受けて、「この女性のおかげです。(そしてあなた、ルーク) のおかげです」と妻と弁護士に感謝の言葉をつづった。
米サイト「TMZ]によると、小道具の武器担当だったハンナ・グティエレス=リードが過失致死罪で訴追されており、ボールドウィンは映画のエグゼクティブプロデューサーだが、日々の決定を下す立場になかったことで検察が訴追を断念したのではないかと報じた。
■映画「ラスト」の誤射事件
事件は2021年10月21日(現地時間)、米ニューメキシコ州のロケ地で西部劇「ラスト」のリハーサル中に起きた。教会のセットでボールドウィンが小道具の銃を発砲し、撮影監督のハリナ・ハッチンズさん(当時42)の胸に当たり死亡、彼女を貫通した銃弾が近くに居たジョエル・ソウザ監督(48)の肩に当たり負傷した。
昨年12月、ボールドウィンは米ABCニュースのインタビューで「引き金は引いていない」「銃に実弾が入っていたとは知らなかった」などと語った。ハッチンズさんの死は事故であり、自分に責任はないと主張。スタッフは銃に実弾が入っておらず、適切に空砲が装填されていることを確認するべきだったとしている。また、引き金は引いてなく、拳銃の撃鉄を戻した後、銃が勝手に暴発したなどと主張していた。