中居正広氏側が第三者委の報告書に反論「性暴力確認されなかった」証拠開示要求

(2025年5月13日11:30)

中居正広氏側が第三者委の報告書に反論 「性暴力なかった」証拠開示要求
フジテレビ(東京・港区台場)と中居正広氏

元タレントの中居正広氏(52)の代理人弁護士が12日、フジ・メディア・ホールディングスとフジテレビが設置した第三者委員会(竹内朗委員長)が3月31日に発表した報告書に対して、「中立性、公平性を欠いている」、中居氏の聴取から「『性暴力』という日本から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした」などと反論した。そのうえで報告書の関連資料の開示請求、本調査報告書の問題の指摘および釈明を第三者委に要求した。「極めて大きな問題」としている。

長沢美智子氏ら中居氏の代理人弁護士5人は報道各社に、第三者委員会に送付した文書を「受任通知兼資料開示請求及び釈明要求のご連絡」を公表した。
第三者委員会は報告書で、元フジテレビのアナウンサーAさんが中居氏から「性暴力を受けた」と認定。また「業務の延長線上」の性暴力被害だったとした。そして他にも不適切な会食があったことなどから、フジに「ハラスメントに寛容な企業体質」があったなどと指摘した。
「性暴力」については、「強制力を用いたあらゆる性的な行為」などで「強制力とは有形力の限らず、心理的な威圧や脅しが含まれ、かつその程度は問題にならない」とする世界保健機関(WHO)の定義を適用したとしている。

これに対して、中居氏代理人は「証明力に疑問がある伝間証拠に基づき中居氏が「性暴力を行った」と断定しました」(中居氏代理人の文書から。以下同)と指摘。 「『性暴力』(Sexual violence)という表現に関してはいろいろな理解が可能にも関わらず、WHOの極めて広義な『強制力とは有形力に限らず、かつ強制力の程度は問題にならず、強制力には心理的な威圧、脅しが含まれる』という定義を用いています。しかし、『性暴力』とは普通の日本人にとっては肉体的強制力を行使した性行為として、凶暴な犯罪をイメージさせる言葉です。ところが、貴委員会はこの『性暴力』という言葉を使用するに際して、日本語の凶暴な言葉の響き・イメージとは大きく異なるハラスメント行為まで性暴力に含めるWHOの広義な定義を何らの配慮もしないまま漫然と使用しました。一方、本調査報告書では、上記のとおり性暴力という日本語が与える一般的な印象は、暴力または強制を伴った性的行動といった非常に強いものであり、このような言葉の選定が中居氏の名誉等に多大な影響を与えることについての配慮が全くなされておりません」と反論した。

そして「当職らが中居氏から詳細な事情聴取を行い、関連資料を精査した結果、本件には、『性暴力』という日本から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした。今回、貴委員会作成に係る本調査報告により『性暴力を行った』と断罪され、公表されることにより中居氏の名誉・社会的地位は著しく損なわれています。貴委員会の本調査報告はGL(ガイドライン)に照らしても、中立性・公平性に欠け、貴委員会設置の目的や委嘱事項から大きく透脱し、極めて大きな問題があると言わざるを得ないものと考えております」と、「性暴力」は確認されなかったとしている。

また、報告書では被害女性はしゅひぐむ解除に応じたが中井氏は応じなかったとしているが、「中居氏は、当初守秘義務解除を提案していましたが、第三者委員会から『2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない』との回答があったという経緯がありました」としている。

さらに「本調査報告書には、守秘義務にこだわらずに約6時間にわたり誠実に回答した中居氏の発言がほとんど反映されていません。かつ、その反映しない根拠も理由も示されていないのです。相手方女性と中居氏へのヒアリング以外の調査方法(CX関係者のヒアリング及び関係資料)は直接当該行為を現認したものではありません。伝聞証拠として証明力に疑間があるのにそれらに基づき事実認定が行われています」としたうえで「こうした不当な事実認定は中立性・公正性を欠いていると言わざるを得ません」と指摘。「貴委員会の本調査報告はGLに照らしても、中立性・公平性に欠け、貴委員会設置の目的や委嘱事項から大きく透脱し、極めて大きな問題があると言わざるを得ないものと考えております」としている。

中居氏代理人は第三者委に以下の3点を要求している。
「<1>本調査報告書作成のために用いられた一切のヒアリング記録及びその他の証拠
<2>性暴力があったとの認定は、どのような証拠に基づいてされているのか、その証拠と、認定と証拠との対応関係がわかる資料。
<3>上記証拠の一部ないし全部の関示ができない場合は、その理由を明らかにしてください。」

中居氏の女性とのトラブルは、昨年12月に「女性セブン」や「週刊文春」が報道して発覚。中居氏は今年1月23日、トラブルがあったことを認めて芸能界引退を発表した。そしてフジテレビ社員の関与疑惑が報じられ、フジとフジ・メディア・ホールディングスが第三者委員会を設置して調査が行われ3月31日に報告結果の発表。フジの港前社長らが辞任するなどフジテレビに激震が続いた。
そうしたなか、中井氏側が反論し、第三者委に証拠開示などを求め、新たな展開を見せている。「第三者委員会はどう対応するのか。場合によっては中居氏側が第三者委を名誉棄損などで提訴する可能性もあるのではないか」(テレビ関係者)との推測も。今後の成り行きが注目される。