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映画
第37回東京国際映画祭閉幕 長塚京三主演「敵」3冠 東京グランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞
(2024年11月6日20:00)
第37回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが6日、東京・有楽町のTOHOシネマズ日比谷で開催され、コンペティション部門は、長塚京三主演、吉田大八監督の「敵」が、最高賞の東京グランプリ、吉田監督が最優秀監督賞、長塚の最優秀俳優賞と3冠を獲得した。
「敵」は現役を引退した元大学教授が「敵がくる」という謎のメッセージを受け取ったのをきっかけに、現実と夢の世界をさまよう姿をシュールに描いた作品。審査委員長のトニー・レオンは、「素晴らしい映画で心を打たれました。知性であったり、ユーモアのセンス。人生の様々な疑問にわれわれはみんな苦戦しますが、素晴らしいタッチで本当にシネマを感情的な形として完璧に仕上げた。エレガントで新鮮な映画」と絶賛した。
最高賞の東京グランプリと最優秀監督賞を受賞した吉田監督は、「この小さな映画を誕生から旅立ちまでずっと見送ってくれているすべてのスタッフ、俳優の皆さんに心から感謝します。自分がいい監督かどうか自信が持てませんが、間違いなく皆さんのおかげで、この映画はいい映画になったと思っています。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
最優秀男優賞の長塚は、「『敵』という映画は、年を取って一人ぼっちで、助けもなく敵に閉じこめられていくという話なんですけど、結構…」といってトロフィーを持ち上げて見せ、「味方もいるんじゃないか時を強くした次第です。もうぼとぼち引退かなと思っていた矢先だったので、うちの奥さんはがっかりするでしょうけど、もうちょっとここの世界でやってみようという気持ちにもなりました」といい、「東京国際映画祭ありがとう。味方でいてくれた皆さん、どうもありがとう」と言ってスピーチを締めくくった。
日本映画の3冠は根岸吉太郎監督、佐藤浩市主演の「雪に願うこと」(05年)以来19年ぶり。邦画のグランプリと日本人俳優の男優賞受賞も19年ぶりの快挙となった。
クロージングセレモニー終了後にクロージング作品として、「マルチェロ・ミオ」フランス/イタリア)が上映された。
■第36回東京国際映画祭各賞
【コンペティション部門】
東京グランプリ/東京都知事賞 「敵」(日本/吉田大八監督)
審査委員特別賞 「アディオス・アミーゴ」(コロンビア/イバン・D・ガオナ監督)
最優秀監督賞 吉田大八(「敵」/日本)
最優秀男優賞 長塚京三(「敵」/日本)
最優秀女優賞 アナマリア・ヴァルトロメイ(「トラフィック」/トルコ)
最優秀芸術貢献賞 「わが友アンドレ」(中国/ドン・スーシェン監督)
観客賞 「ちいさな私」(中国/ヤン・リーナー監督)
【アジアの未来部門】
作品賞「昼のアポロン 夜のアテネ」(トルコ/エミネ・コルドゥサ監督)
【第 37 回東京国際映画祭 開催概要】
■開催期間:2024 年 10 月 28 日(月)~11 月 6 日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
【TIFFCOM2024 開催概要】
■開催期間:2024 年 10 月 30 日(水)~11 月 1 日(金)
■公式サイト:www.tiffcom.jp