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ハリウッド特急便
ジョニー・デップ VSアンバー・ハードの名誉棄損裁判、陪審員が判事に記事の「見出し」をめぐって質問 審議は10時間に及ぶ
(2022年6月1日11:15)
ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)の名誉棄損裁判で陪審員の審議が5月31日(現地時間)、行われ、陪審員はハードのコラムの「見出し」をめぐって判事に質問するなど審議は10時間に及び、審議2日目も評決に達しないまま終了した。
米サイト「TMZ」によると、5月31日(現地時間)、審議を続けている陪審員は、デップの名誉毀損の訴えをどう扱うか判事に指針を求めた。デップはハードが米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで取り上げられた3つの発言について名誉棄損として訴えているが、陪審員は(コラムの)見出しを単独で見るべきなのか、論説全体の一部として見るべきなのかを判事に意見を求めたという。
陪審員が言及している見出しは、2018年のワシントン・ポストのデジタル版に掲載されたコラムの見出しで「私は性的暴力に対して声を上げたーそして我々の文化の怒りに直面した。それは変わらなければならない」というもの。
陪審員の質問はデップ側が主張する「声明は虚偽である」は「見出しに関わるのか、それとも声明の内容や論説に書かれている全てに関わるのか?」というものだという。
ペニー・アズカラテ判事は、「見出しをそれ自体の記述として単独で見て、それ自体が名誉毀損にあたるかどうかを、論説の全文脈を考慮することなく判断する」というものだったという。陪審員はその回答に基づいて審議を続行。すでに合計で約10時間の審議が行われているという。
ちなみに、デップが名誉毀損とした他の2つの発言は、ハードが自らを「家庭内虐待を代表する公人」と呼び、「虐待で訴えられた男性を保護する制度をリアルタイムで見ることができる貴重な視点を持っている」と言ったことに関係があるという。
陪審員が前述の質問をしたのはハードの代理人ベン・ロッテンボーン弁護士が最終弁論で主張したことに関連しているとみられる。陪審員がハードの主張をすべて信じなかったとしても、コラムでの彼女の発言は表面上まだ技術的に真実である。彼女は実際に発言し、DVを代表する公人となったのだというものだという。ロッテンボーン氏はまた、最終弁論で言論・出版の自由の権利について規定した憲法修正第1条により、ハードには自分の個人的な経験について話すあらゆる権利があると述べた。
デップとハードはこの日、出廷しなかったが2人の弁護士は出廷し、クライアントのために仕事をこなしていたという。陪審員の審議中も彼らは相変わらず忙しいという。
陪審員の評決は6月1日(現地時間)以降に持ち越された。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚した。
だがわずか1年3か月の結婚生活で、16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。