アレック・ボールドウィン、映画「ラスト」誤射死傷事件での訴追棄却を請求

(2024年3月15日20;20)

アレック・ボールドウィン、映画「ラスト」誤射死傷事件での訴追棄却を請求
アレック・ボールドウィン(Instagram/@alecbaldwininsta)

映画「ラスト」撮影中の誤射死傷事件で、過失致死罪に問われたアレック・ボールドウィン(65)の弁護団が15日(現地時間)、検察官の不正行為を主張し、過失致死罪の訴追を棄却するよう判事に求めた。ボールドウィンの裁判は7月10日にニューメキシコ州で開かれる予定。

米誌ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、弁護団は「もうたくさんです。これ(訴追)は無実の人間に対する制度の乱用であり権利が極限まで踏みにじられた」と主張している。この申し立ては8日、同事件で過失致死罪に問われた「ラスト」の兵器係ハンナ・グティエレス=リード被告に有罪の評決が下った後に行

2021年に西部劇映画「ラスト」の撮影現場でボールドウィンが持っていたコルト45リボルバーの複製品から実弾が発射され、ハッチンズさんに当たり死亡し、さらにジョエル・ソウザ監督も負傷した。
有罪評決を受けたグティエレス=リード被告は4月15日に判事から量刑を言い渡される予定で、最高で1年6月の禁固刑になる可能性がある。

ボールドウィンの弁護士は、検察が 「自分たちの不適切な行為によって作られた掃き溜めにボールドウィンを公然と引きずり込んだ」と主張した。また大陪審から「実質的な免責に値する有利な証拠を隠した」などとしている。
検察がボールドウィンのプロデューサーとしての役割は、純粋に映画の内容に関することで、現場の安全管理を実施したり、クルーを雇う役割はなかったとことを証言するはずだった証人を召喚しなかったと述べた。検察が弁護側に有利な証拠を大陪審に聞かせないようにした場合、裁判官が訴追を棄却した判例を引用したという。

これを受けて、特別検察官は、法廷で反論し、14日以内に答弁書を提出すると述べた。 ボールドウィンは2つの過失致死罪に問われており、1つは銃器の過失使用、もう1つは十分な注意を怠ったことによるものだという。第4級重罪になりハンナ・グティエレス=リード被告と同様に最高で禁固1年6月の可能性があるという。

ボールドウィンは2023年1月に過失致死罪で初めて起訴されたが、弁護団が、ボールドウィンが使用していたリボルバーが改造されており、引き金を引かなくても発砲できるという証拠を提出したため、3か月後に訴追は棄却された。 だが今年1月、検察は銃の検査で引き金を引かなければ発火しないことが判明したとして再度訴追された。

■映画「ラスト」誤射事件

事件は2021年10月21日(現地時間)、米ニューメキシコ州のロケ地で西部劇「ラスト」のリハーサル中に起きた。教会のセットでボールドウィンが小道具の銃を発砲し、実弾が発射され撮影監督のハリナ・ハッチンズさん(当時42)の胸に当たり死亡、彼女を体を貫通した銃弾が近くにいたジョエル・ソウザ監督(48)の肩に当たり負傷した。

昨年12月、ボールドウィンは米ABCニュースのインタビューで「引き金は引いていない」「銃に実弾が入っていたとは知らなかった」などと語った。ハッチンズさんの死は事故であり、自分に責任はないと主張。スタッフは銃に実弾が入っておらず、適切に空砲が装填されていることを確認するべきだったとしている。また、引き金は引いてなく、拳銃の撃鉄を戻した後、銃が勝手に暴発したなどと主張していた。
現地の検察当局は2023年3月に過失致死罪で訴追したが同年4月に訴追を取り下げていた。小道具の武器担当だったハンナ・グティエレス=リードが過失致死罪で訴追されており、ボールドウィンは映画のエグゼクティブプロデューサーだが、日々の決定を下す立場になかったことで検察が訴追を断念したのではないかと報じられた。

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