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映 画
「ザ・スイッチ」のとっておき情報
(2021年4月12日16:00)
映画評論家・荒木久文氏が、「ザ・スイッチ」のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、4 月5日放送)の映画コーナー「アラキンのムービーキャッチャー ネオ」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 4月から始まりました新番組「Bumpy」。
さあこの時間は「アラキンのムービーキャッチャー NEO(ネオ)!!」
この4月からもこのお方に映画の最新情報を伺います。うれしいなー。
荒木さーん!よろしくお願いします。
荒木 はい、荒木です。「鈴木ダイのBumpy」、新番組スタート、おめでとうございます。始まりましたねー、「Bumpy」って意味は?
鈴木 いや、なんかねー 凸凹なというか、いろんな年齢層が聴いていただいているので凸と凹というか、そんな感じの番組です。
荒木 いい響きですよね。 Bumpy…もし、プロレスラーのグレート小鹿さんが この番組のパーソナリティだったら、「小鹿のバンビ―」?!…。
鈴木 あはは…あのね、荒木さん そんな感じでこれからもお願いしますよ。
荒木 今年度も頑張ってご紹介します。4月9日公開の「ザ・スイッチ」という作品から。
ホラーコメディ、気楽に楽しめますが、なかなかえぐかったりもする注目作。
いわゆる入れ替わりものですね。
ストーリーから行きます。
主人公は毎日毎日 とてもさえない生活を送るジミーな女子高校生 ミリー。
学校でもいじめられっ子で、スクールカーストも底辺。
ある晩 彼女は指名手配中の凶悪連続殺人鬼の中年男 ブッチャーに襲われ、鋭いナイフで突き刺されてしまい、意識を失います。
やがて彼女が意識を取り戻すと、なんと中年のおっさんの殺人鬼ブッチャーの体と意識が入れ替わっていたのです。
鈴木 出た~!!
荒木 意識は女子高校生 体は中年の殺人鬼 24 時間以内に入れ替わりを解除しなければ一生元の身体に戻れないという状況の中、
女子高校生の姿になった殺人鬼ブッチャーが大量殺戮を企てる、ミリーは身体を取り戻すことはできるのか? 女子高 生と連続殺人鬼がぶつかり合う、長い長い夜の戦いが始まります…。
女子高校生役には、キャサリン・ニュートン、「ピカチュウ」なんかに出ていたんですが、
だいちゃん、写真ありますよね。
鈴木 きれいですよねー。キュートな感じの子ですよね。
荒木 大変な美女でしょう?学校でモテないなんてちょっと?という感じですよね。
最初はかわいいイメージだったのに、中身がおっさんに変わって表情が一変。怖いというより、妖艶になるんですよ。凄みのある美しい顔になります。
一方 中年殺人鬼 ブッチャー役にはビンス・ヴォーン という俳優さんです。
見たことあるでしょ?この人も良く映画に出ている人で、身の丈2メートルもある、それこそプロレスラーみたいな凶悪顔のおっさんですよね。
おっさんが完全に中身は女子高校生。内股で目が常にウルウル輝いてて少女キャラ。
笑えます。
入れ替わりものは役者にとってはおいしいのか?ただ大げさにはやらなくてはならないという必然が出てくるでしょうね。
コメディとお約束スプラッターホラーの配合が絶妙なんです。
鈴木 絶妙なんですか?
荒木 そうなんですよ 抜群に面白かった。
この作品を作ったのは、初めはビデオカメラで展開される斬新ホラー「パラノーマル・アクティビティ」。最近では“元カレに襲われる女性が主人公の昨年話題の「透明人間」。ちょっと趣向の異なったホラー作品の製作を手がけるスタジオブラムハウスというプロダクションなんです。
このプロダクションが有名になったのは、女子大生が“自分が殺される誕生日”を何度も繰り返すことになる姿を描いた「ハッピー・デス・デイ」。心理スリラー「ゲット・アウト」。そして、ほかにも、自分たちとそっくりの何者かが襲来する「アス」、そして第87回アカデミー賞で3部門を制覇した「セッション」などなど…。
ブラムハウスは、このように、低予算でしかもアイデアが鋭い作品、なんというんでしょう、”エッジ”が効きまくったとでもいうんですか、そういう“傑作”を次々 制作しホラーファンを喜ばしてきているんです。
鈴木 なるほどすばらしいですね。
荒木 もともと 入れ替わりモノというのは昔からありますよね。
古くは大林監督の「転校生」。最近では大ヒット作「君の名は」。
テレビドラマでも 父親と娘の女子高校生の意識入れ替わってしまう「父と娘の7日間」舘ひろしさんと 新垣結衣さんがやってました。
つい最近も ありましたよね、テレビドラマ「天国と地獄 サイコな二人」。女性刑事と凶悪犯が入れ替わるという、綾瀬はるか、高橋一生さんですね。
鈴木 いつの時代でもあるんですね。
荒木 海外映画にも刑事と凶悪犯入れ替わりのトラボルタとニコラスケイジの「フェイズ オフ」などもあります。
しかし、今回も、単なる入れ替わりもの?と見くびってはダメですよ。
まあいわば、使い古されたと言っては何ですが、目新しさはそうない、入れ替わりものもスタジオブラムハウスの手にかかると、いろんな要素を入れて新鮮な、いわゆるホラー・コメディになっています。
今回はR15なので殺し方もグロ描写はとってもすごいですよ。
グロいシーンが苦手な人にはおすすめしませんね。
なかなか 傑作な作品でした…「ザ・スイッチ」4月9日から公開です。
先週は、俳優 田中邦衛さんの死去が報道されましたが、本当にいい俳優さんでした。
田中さん だいちゃんはどんなイメージ?
鈴木 皆さん そうだと思うんですが、「北の国から」ごろーさん役、それから 「若大将シリーズ」青大将。加山さんとの対比がね。面白かったです。
荒木 そうですよね。私にとって田中さんの作品を選ぶとすると、若大将シリーズ それに「仁義なき戦い」シリーズが好きでした。
そして テレビドラマもありましたが、映画「若者たち」。 そしてもちろん「北の国から」
ですが、寅さんシリーズとか、トラック野郎シリーズの演技も印象に残っています。
もともとあの特徴ある、老け顔だよね。で「若大将シリーズ」の青大将の時はほとんどの作品30歳すぎで大学生演じてたんだよね。
「北の国から」のごろーさんの時とあんまり顔は変わってないイメージだよね。
ほんといい俳優さんでした。 ご冥福祈ります。
鈴木 そうですね。
荒木 さあ 今週は、注目の公開作が多いですよ。特に推薦したいものを時間ある限り、紹介します。 まず「街のうえで」 4月9日公開です。
「愛がなんだ」で恋愛映画の巨匠との呼び声高い今泉力哉監督作品。
世田谷の、下北沢を舞台に今大人気の若葉竜也が単独初主演と4人の女性たちの出会いを描いた恋愛群像劇です。成田凌がほぼ本人役というスタンスで友情出演。オリジナルの脚本が巧みでとても面白いですよ。
そして「バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら」 これも4月9日公開です。松重豊、遠藤憲一とか、誰でも知っている名脇役たちですが、彼らが本人役で主演する映画。テレビ東京の人気ドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズの劇場版で総勢100人を超す役者が出演します。
一方 役所広司、天海祐希、有村架純さんたち主演級が脇役的ゲストで出演しています。映画撮影所「バイプレウッド」を舞台に濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子さんたちが中心に映画を作るという物語。
監督はこちらも最近人気の松居大悟さんです。
最後は「アンモナイトの目覚め」こちらも4月9日の公開です。
あのケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンというトップ女優が、初共演です。19世紀イギリスを舞台に、全く異なる境遇の女性が化石を通じてひかれあう姿を描いた愛のドラマです。二人の激しいベッドシーンが話題です。
鈴木 話題作多いですね。
荒木 そうなんですよ。今週は。見もの多いです。
新しい番組、頑張ってくださいね。これからも。
鈴木 荒木さんも一緒なんですよ。頑張ってもらうのは…メンバーの一員として。
荒木 そうですよね。いい名前つけていただいて。ネオ(neo)…neoの反対語はなんか、パレオ(paleo)って言うらしいんですが、旧式で、古臭くならないよう、パレオにならないよう、頑張りますので、これからもよろしくおねがいします。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。FM Fuji『GOOD DAY』(火曜午前10時)のパーソナリティなどに出演中。