中居正広氏側、フジ第三者委に資料開示再要求 「中居⽒に具体的損害を与えた」と主張

(2025年5月31日10:30)

中居正広氏側、フジ第三者委に資料開示再要求 「到底承服いたしかねます」
フジテレビ(東京・港区台場)と中居正広氏

元タレント中居正広氏(52)の代理人弁護士が30日、フジテレビの第三者委員会に再び「性暴力」と認定したことをめぐる証拠などの開示を文書で要求したことを明らかにした。第三者委が報告書で「中居⽒に具体的損害を与えた」などと主張している。

発表された「貴委員会に対する再度の資料開示・釈明等要求のご連絡」と題した中居氏代理人弁護士の文書では、第三者委がWHOの「性暴⼒」定義を適用したことについて「WHOの定義は公衆衛⽣上の予防や調査を⽬的とした概念であり、『公衆衛⽣アプローチは、暴⼒に対する刑事司法や⼈権の対応に取って代わるものでは』なく (中略)、個別事案を判定するための法 的指標ではありません。にもかかわらず、貴委員会は当該概念を⼗分な検証もなく、⼀個⼈に直接 適⽤し、『性暴⼒』というレッテルを貼ったことは、重⼤な⼈権侵害だと考えます」と主張。

また第三者委が「業務の延⻑線上」と認定したことに、「『業務の延⻑線上』の具体的な定義や外縁が本調査報告書に⽰されていません。2023年6⽉2⽇当時、中居⽒と相⼿側⼥性の間には、雇⽤・指揮監督関係 や、上下の業務的権限関係は存在しませんでした。また両者には複数回の会⾷の機会があり、中居⽒と彼⼥は家族やプライベートの出来事に関して様々なやりとりもあり、メールで『勇気づけられた』等のお礼をもらうような関係でもありました」などとしている。

そのうえで、「①本調査報告書作成のために⽤いられた⼀切のヒアリング記録及びその他の証拠 ②性暴⼒があったとの認定は、どのような証拠に基づいてされているのか、その証拠と、認定と証 拠との対応関係がわかる資料 ③上記証拠の⼀部ないし全部の開⽰ができない場合は、その理由を明らかにしてください」として6月6日までの回答を要求した。

さらに、「WHO定義を「グローバルスタンダード」として、本件において個⼈の⾏為 の判断基準として採⽤し事実認定に⽤い公表したことは、⼿続的にも実体的にも甚⼤な⼈権侵害 として看過し難いものであり、早急な是正を求めます」などとしている。
また、「第三者委員会は、2⼈の密室で何が⾏われたかが直接の調査対象ではなく、その前⾜と後⾜が⼤事」と説明していたが、「胴体部分について調査対象として、性暴⼒があったと事実認定し、中居⽒のことを断罪しました」と指摘。 「2023年6⽉2⽇のことを、中居⽒に適正な⼿続を踏ませる ことなく性暴⼒と誤認し、さらにこれを積極的に世間に晒したことに、中居⽒は『愕然とした』 『驚愕だった』と述べています。」としている。
そして、第三者委の報告書は「中居⽒に具体的損害を与えた」と主張し、「貴委員会は、速やかに、本調査報告書の調査範囲を逸脱して、適正⼿続を経ることなく、 中居⽒の⼈権を侵害した問題点を認め、中居⽒の名誉・社会的信⽤の回復のために、貴委員会のなし得るすべてのことを⾏うよう強く要求いたします」としている。

■中居氏側の第三者委報告書に対する反論の経緯

フジの第三者委が3月31日に発表した調査報告書で、中居氏の「性暴力」を認定したことに対して、中居氏側は5月12日、「中立性・公平性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損なった」などと反論し、中居氏の聴取からは「『性暴力』という日本から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした」として証拠の開示を請求した。
これに対して第三者委は22日、WHOの「性暴力」の定義を適用したことについて「投資家やスポンサーに対して説明責任を果たすためには、ビジネスと人権のグローバルスタンダードに立脚する必要がある」と反論。さらには、内閣府の「同意のない性的な行為は、性暴力であり、重大な人権侵害」などとする定義も併記しており「事実認定は適切だった」と回答。証拠の開示要求については「独立性・中立性を損なう」などとして開示を差し控えるとしていた。

これに対して中居氏側は23日、第三者委員会の回答について「釈明要求に全く答えておらず」「到底承服いたしかねます」と反発。12日付の文書で、第三者委が中居氏による「性暴力」を認定するに当たって根拠とした証拠の開示などを要求していた。

朝日新聞31日付朝刊によると、被害を訴えている女性の代理人弁護士は、文書の中で、女性との関係性やメールのやりとりの内容などについては、「事実と異なるものであり、看過できないと考えている」と指摘。また、「報道機関ィ公表する文書においてあえて中居氏がこのような言及を行ったことは、女性に対するさらなる加害(二次被害)に他ならないと考えている」とコメントした。
第三者委は、中居氏側の主張や再度の資料開示・釈明要求にどう対応するのか、今後の成り行きが注目される。

【関連記事】
フジ第三者委 中居氏の反論に回答 「性暴力」のWHOの定義適用は「グローバルスタンダード」「中立性・公正性・公平性に欠ける部分はなかった」
中居正広氏側が第三者委の報告書に反論「性暴力確認されなかった」証拠開示要求
中居正広氏、業務延長上の性暴力 フジ第三者委員会が認定 被害女性はフジのアナウンサー
文春訂正「フジ社員から誘われた」→「中居さんから誘われた」 「トラブルに関与の事実は変わらず」
フジテレビ港社長、加納会長辞任 ”やり直し会見”10時間超で紛糾
フジテレビ 27日”やり直し記者会見“の前に臨時取締役会 港社長らの進退問題協議
中居正広が芸能界引退を発表「大変、大変、申し訳ありませんでした。37年間ありがとうございました。さようなら…。」 
中居の女性トラブル問題 フジCM差し止め70社以上 フジ臨時取締役会開催へ TBS「金スマ」終了、社内調査
中居の女性トラブル問題 トヨタ・日生などフジCM差し止め相次ぐ
フジ社長、中居の女性トラブル問題で謝罪 調査委設置し調査
中居正広の女性トラブル 米投資ファンドがフジに第三者委設置要求「大株主として、憤りを禁じ得ない事態」 
中居正広、日テレ「仰天」当面出演見合わせ コメント発表も「依然として不明」
中居正広「トラブルは事実」 謝罪文公表 「第三者の関与」や「引退説」は否定。
中居正広出演シーンカット 日テレ「仰天」特番 性的トラブル報道の波紋広がる