-
ハリウッド特急便
アンバー・ハードが上訴を取り下げジョニー・デップと和解 デップに1億3700万円支払う
(2022年12月20日11:15)
元夫ジョニー・デップ(59)との名誉棄損裁判で巨額の賠償金支払いを命じられて上訴していたアンバー・ハード(36)が19日(現地時間)、上訴を取り下げ和解することを決断したと自身のインスタグラムで発表した。ハードは和解金として100万ドル(約1億3700万円)を支払うという。
ハードはインスタグラムで、「和解という非常な困難な決断をしました。私がこれを選んだことはないと言うことが重要です。私の人生が破壊されても、私は真実を守ってきました」と表明した。
そして、裁判では自身の証言が採用されず、「娯楽とソーシアルメディアの餌食となった」といい「私がソーシャルメディア上で直面した中傷は、女性が名乗り出るときに再被害を受けるといいうことを増幅させるものでした」と訴えた。
「今、私はようやく、6年以上前に離れようとしたものから、私が同意できる条件で解放される機会を得ました」と続けた。「私は何も認めていません。これは譲歩のための行為ではありません。私の声に関して前進するための制限ありません」としている。
また、2020年11月にデップが、英紙「サン」のDV報道を名誉棄損として訴えた裁判と、今回のデップがハードのワシントンポストへの寄稿文を名誉棄損で訴えた米国での裁判を比較し「人気と権力は理性や正当な手続きよりも重要なのです」と、英国の裁判ではデップによるハードへのDVを認めて「サン」紙の勝訴となったにもかかわらず、デップ側の主張を大幅に認めてデップの勝訴となった米国の陪審員による裁判の違いについて指摘した。
「イギリスで裁判官の前に立ったとき、私は堅牢で公平かつ公正なシステムによって、世界中のメディアの前で最悪の証言をしなければならないことから守られ、裁判所は私がDVと性的暴力を受けていたことを認めました」と書いている。
裁判で「私は二度と経験できないような屈辱を味わいました」とし、上訴が認められれば、再び公開裁判が始まるだけだと指摘。「私は3度目は無理です」とつづった。米国の法的手続きは「私と言論の自由の権利を保護できないことを示しています」という。
そして「私は真実を話すことから起こったことによって脅かされたり、意気消沈したり、思いとどまることはありません。誰もそれを奪うことはできないし、私の声は永遠に、私が持っている最も貴重な資産であり続けるのです」としている。
和解の条件は明らかにしていないが、「ハードがデップに対して和解金として100万ドルを支払うという。
ハードの声明を受けて、デップはハードを「破滅させるつもりはなかった。お金の問題ではなく真実を求めただけだ」と米誌「Peple」にコメントしたという。デップの弁護士は同誌に声明を出し、「このプロセスを通して、真実を明るみに出すことを優先することを明確にしたデップ氏にとって、この辛い章に正式に幕を閉じることができて嬉しく思っています」と述べた。さらに「デップ氏が得た有利な評決は完全に残っています」としたうえで、100万ドルの和解金は慈善団体に寄付するという。
米国だけでなく世界で注目されたジョニー・デップVSアンバー・ハードの泥沼の裁判闘争にようやくピリオドが打たれた。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚。
だがわずか1年3か月の結婚生活で、16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言した。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をした。
2022年6月1日(現地時間)、米バージニア州の裁判所の陪審は、デップがハードのコラムを名誉棄損として500万ドル(約63億円)の損害賠償を請求した訴訟について、名誉棄損を認めてハードに1000万ドルの賠償金と懲罰金500万ドルの合計1500万ドル(約20億円)の賠償支払いを命じた。ただし、同州の懲罰金は上限が35万ドルのため合計1035万ドル(約14億5000万円)に減額された。
一方、ハードがデップに1000万ドル(約130億円)の損害賠償を請求して反訴した名誉棄損の訴訟について、デップの弁護士がハードの主張は虚偽などと表明したことは名誉棄損としてデップ側に200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。
2022年7月、アンバー・ハードが評決を不服として上訴。その後、ジョニー・デップも上訴した。
2022年12月19日(現地時間)、ハードがデップに和解金100慢ドルを支払うことで和解成立と双方が発表。