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映 画
「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」「カーリングの神様」のとっておき情報
(2024年11月20日10:45)
映画評論家・荒木久文氏が「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」「カーリングの神様」のとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、11月11日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 今日は11月11日ですね。ダイちゃんのラッキーナンバーということで、その辺りをちょっと。「日本記念日協会」によると、11月11日は、1年のうちに3番目くらいに記念日が多いそうですよ。8月8日、10月10日、その次が11月11日らしいよ。
60くらいあるみたいです。理由というのが1という字が棒とか直線に見えるため、商品に例えやすいんですね。
鈴木 なるほどね。
荒木 1は「いち」とも「ワン」とも「い」とも読むことができますよね。
さらに漢字で書くと、「プラス」「マイナス」「プラス」「マイナス」で、そんなこともあって、凄い沢山の記念日なんです、今日。まず、ポッキー&プリッツの日。
鈴木 ああ!これはもう、毎年必ず盛り上がるもんね!
荒木 で、チンアナゴの日でもあるんだよね。「チンアナゴ」って、砂地から顔を出すよね。わかりますか?
鈴木 わかりますよ。
荒木 なんか、こう、曲がってて、7にも見えるけど、1だよね。
鈴木 昔のネッシーの写真じゃないんだからさ。
荒木 そうそう、あんな感じですよね。それから、獣医さんの日なんだって。いい獣医の日。ダジャレだよね(笑)。この辺でやめておきます。
全く関係なく番組進めます(笑)。
11月15日の公開です。今年の掉尾を飾る、今年最高の作品と言ってもいいんじゃないかな。「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」。
鈴木 でた!
荒木 2と言えば、タイトルでおわかりの通り続編です。
鈴木 来ましたね!
荒木 もとの映画は?
鈴木 「グラディエーター」?
荒木 そうですよね。
鈴木 久しぶりですよね、24年ぶりってことですか!
荒木 そうなんですよ。あの時は、ラッセル・クロウがアカデミー賞主演男優賞取って、作品賞も取って5冠くらいだよね。
古代ローマが舞台で、皇帝の座をめぐる陰謀劇でしたよね。巨大なコロセウムでのバトルで世界中を驚かせました。この続編なんですよ。ダイちゃん、見ましたよね?
鈴木 前作ってこと? 当り前じゃないですか!古代ロマン大好きだもん。古代史とか大好きですね。
荒木 そうなんですか。覚えておきますね。で、この続編が、これからご紹介する『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』なのです。また、リドリー・スコットが監督やってるんですが、これが凄い凄い。まあ、何がすごいかはおいおい話していきますけど、やはり大物作品は最後にやってくるんですね。
とりあえずストーリーまいりましょうか。
時は紀元前2000年。ローマ帝国がヨーロッパの征服を続けていた時代です。
場所はアフリカの北の端、ヌミディアという国にローマ軍の最高の軍人と言われたアカシウス将軍が率いるローマ軍が攻め入ります。そこの住人だったルシアスという男、この人が主人公なのですが、激しい戦いの末に敗れて妻を失い、自分は捕虜になり奴隷としてローマに向かいます。そのローマの地で、彼はマクリヌスという男に拾われ、いわゆる剣闘士、競技場で戦う戦士、グラディエーターになるんです。
このルシアス、もともと能力があったのでしょう。猛獣と戦ったり化け物のような大男と戦ったりしながら、だんだん無敵のグラディエーターとしてローマ市民の英雄となっていきます。
ある日、元皇帝の姉から自分の出生の秘密を聞かされるんです。自分が何者かを知った彼は、自分の故郷を滅ぼし妻を殺した将軍アカシウスへの復讐を心に秘めます。
一方、そのアカシウスは、その頃民衆を抑圧していた現在の双子の皇帝を倒して、新しい支配者になろうとクーデターを目論んでいる・・・。なかなか複雑なストーリーです。
そのルシアス役は、今年話題になった日本作品のリメイク作「異人たち」で主人公の恋人を演じて話題になったポール・メスカルという人で、これが前作のゲイ役とは打って変わって筋肉と戦闘能力ビンビンなんですよ。その他、デンゼル・ワシントンが、マクリヌスという男をやります。
前作の出演者もちらちらっと出てきます。
鈴木 ほぼほぼ?全部は出ないんですか?
荒木 全部は出ない。ちらっちらっとね。今回の主人公となるルシアスはラッセル・クロウが演じた前作の主人公マキシマスの息子という設定になっています。
どうしてそうなっているかは見ていただくことにして、ルシアスがどうして父と同じコロシウムで戦うことになったのか? 父と息子ということを念頭に置いて見ると、何となくラッセル・クロウとポール・メスカルがよく似て見えてきます。ちょっと不思議ですけどね(笑)。とにかくお金がかかってる映画です。見るとわかりますけど。何と!3億ドルというから450億円?
鈴木 すげー!!
荒木 すげーしか言えないよね。CGで可能なのにわざわざマルタ島に行って、実寸大で40%のコロシアム作ったらしいですよ。8台のカメラで撮影し集められたエキストラは1,200人以上らしいですよ。
鈴木 やっぱりそっちの方がリアリティがあってCGは勝てないんだね。
荒木 勝てない、勝てないですよ。やっぱり何となくわかりますよね。
とにかく大スペクタクル映像で、大画面で見ると自分も競技場のド真ん中にいるような気になります。その戦いには人間ばかりじゃなく当然猛獣が出てきます。
トラやライオンと戦っている場面ありますよね。今回は凶暴なヒヒの群れやサイ、そしてなんとサメが出てくるんです。
鈴木 うわぁ、普通さ、勝てないしやらせないよね?
荒木 やらせませんよね、普通は。どうやってサメとコロシアムで戦うのかは見てもらうしかないんですけどね。
鈴木 水槽みたいなの作るのかな?
荒木 そうなんです!でっかい、バカデカいプールを作っちゃうんですよ。
鈴木 でた!これ、ラッセル・クロウは出てこないんですか?
荒木 あのね、ちらっ、ちらっと入りますけど、前のフィルムでね。
鈴木 回想シーンでね。
荒木 はい。監督はその時と同じリドリー・スコットです。
リドリー・スコットといえば、「エイリアン」、「ブレードランナー」、「ブラックレイン」。最近では「ナポレオン」もそうでしたね。なんと御年86歳です。前の作品から24年も経ってなぜ続編を作ろうとしたかと聞かれ、いろんな人から「グラディエイター」が一番好きと言われ好評だったので、単に続編作ろうと思ったっていうね(笑)。
鈴木 それにしちゃ、ちょっと遅すぎますよね。
荒木 そうだよね。何故かっていうと納得できるいい脚本が出来てなかったんですって。監督自身は今回の作品の出来に大満足なんだって。3もやろうと思っているらしいですよ。
鈴木 だから、早めに2やっとけってことよ、これ。
荒木 まあ、実際には今回の成績次第でしょうけどね。いつ何時遺作になるかわからないよ、早く撮って欲しいよね。来年はあのビージーズの伝記映画を撮るらしいですよ。
鈴木 えっ!?それもちゃんと役を当ててってことですか?
荒木 それぞれ役を当てて。こっちも早く見たいですね。
ということで11月15日公開「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」でした。
さて、今の「グラディエーター」の製作費を比べると、こちらの映画は何分の一くらいかな?。それでも気持ちとクォリティは負けていません!という日本の映画です。
「カーリングの神様」というタイトルの青春映画。現在公開中です。
最近、藤澤五月さんなどが所属する「ロコ・ソラーレ」の活躍でカーイリングも一般的になってきましたね。
鈴木 必ず、オリンピックごとに盛り上がるじゃないですか。
荒木 氷上のチェスと言われるらしいです。最近はテレビ中継もあって見ていても楽しいんですけど、ウィンター・スポーツの大好きなダイちゃんはやったことあるでしょう?
鈴木 ちょっとちょっと、荒木さん、私はローラースケートもアイススケートも怖いのよ、出来ないのよ。
荒木 運動神経いいのにね…。
鈴木 あれ、ダメなんですよ。
荒木 ウインター・スポーツが盛んな北海道とか、お隣の長野県あたりのチームが強いようですね。山梨県にもあるんですよ。
鈴木 えっ? カーリングの施設って事? 何処にあるんですか?
荒木 Curlplex Fuji(カールプレックス フジ)という、山中湖の近くにあるのが有名らしいですね。
鈴木 えっ!?知らないです。聞いたことないわ。
荒木 山中湖は戦前の1937年に日本でカーリング大会が初めて行われた湖だったんですって。
鈴木 マジか~。知らなかったわ、勉強不足だわ。
荒木 凍った湖の上でやったんでしょうかね?
鈴木 そうでしょうね。
荒木 他にもいくつかあるみたいですよ。興味のある人は探してみたらいかがですかという事で、ちょっと余計な話から入っちゃいましたけど。
映画の話です。
日本で一番古いカーリング場というのは長野県御代田町という軽井沢にほど近いところにあるんです。小さな田舎町です。ご紹介する「カーリングの神様」は、ここを舞台に、カーリングを通して未来へと踏み出していく少女たちの奮闘を描いた、青春スポーツ映画です。
ストーリーです。風光明媚な田舎町 御代田町で暮らす女子高校生の香澄さん。
小学校時代には幼なじみと結成したカーリングチームで優勝した経験もあるのですが、その後、チームは解散してしまいました。そんなことで、しばらくカーリングからは離れていたのですが、カーリング国際大会が地元の御代田町で開催予定ということになり、地域が盛り上がります。そこで香澄ちゃんはこの大会のエキシビションマッチへ出場しようと思い立って元チームメイトたちに声をかけて、かつてのチームを再結成しようとします。そんな中、元の仲間で現在は隣の軽井沢チームに所属する舞ちゃんという女の子にも誘いをかけたものの断られ、ライバルのチームとなってしまいます。
鈴木 あー、なるほど。
荒木 ありそうでしょ?! 苦労して探して、新メンバーを入れたんですけど、転校生なんですが、これは素人で戦力にならずコーチ探しにも苦戦してます。
さらに、御代田町はカーリング場の老朽化を理由に、開催地を軽井沢に奪われそうになるんです。
鈴木 なぁるほど、なるほど。
荒木 さあ、果たして、街を救うという町に伝わるカーリングの神様は現れて、チームや町を救うのか…という話です。
鈴木 すごい荒木さんの説明わかりやすい!なるほどなーって感じ。
荒木 香澄ちゃん役はフィギュアスケート選手としても知られる、本田望結さん。わかりますよね。
鈴木 わかるわかる。じゃあ、本物じゃないですか。
荒木 そうそう。お姉ちゃんは本田真凛さんですよね。出演者は女子高校生が多いんですが、みんな、カーリングは初挑戦なんですね。
鈴木 でも、みんな、できてんの?
荒木 できてますよ。
鈴木 さすがだねー。
荒木 さすがです。ま、撮り方もあるんでしょうけどね。
鈴木 あはははは。
荒木 特に、本田望結ちゃんはフィギュア選手ですから、はじめから監督やスタッフに〝あなた、出来て当然でしょ。〟という目で見られて、プレッシャーが凄かったらしいです。
鈴木 逆にキツイね!それはそれで。
荒木 でもね、当然ながら全く別物だって。で、「初めて氷に、スケート靴をはかないで乗ったときは、ヤバイって思ったけど見栄を張って平然としていました。」って。みんなが見てないとこで一生懸命練習したみたいですけどね。とにかくカーリングのルールや楽しさもわかるし、女子高校生たちの青春と頑張りがよくて、応援したくなる青春映画ですね。
現在公開中です。
主題歌は、この映画にも何人かメンバーが出演していますが、STU48が歌っています。
今日は、2本ご紹介いたしました。
鈴木 全然違うじゃない、ふたつ。
荒木 お金も違うしね。スケールも違うしね。
鈴木 違う 違う。
荒木 片方は、ボロいカーリング場でね、本当ボロボロ。片方は、物凄いデカいコロセウムというね、戦いの場所がまるで違います。
鈴木 そこがまた、映画の面白さですけどね。ありがとうございました。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。