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映 画

アラキンのムービー・ワンダーランド/「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」のとっておき情報
(2022年12月31日10:00)
映画評論家・荒木久文氏が「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」などのとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、12月26日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 荒木さん、こんにちは!よろしくお願いします。
荒木 今年最後の放送、よろしくお願いします。
この前から、「私の今年の映画・俳優 ナンバーワン」を募集したんですが頂いてますか?
鈴木 じゃあ、何人かご紹介します。まずは、ラジオネームさわっちさんですけど、「いつもへぇー、へぇーとアラキンコーナーを聞いています。私の選ぶ今年の映画1本は、『キングダム2、遥かなる大地へ』です。原作ファンですので前作のキングダムはうーん…という部分もあったんですが、キングダム2はその前作をがっつり超えてきた気がします。個人的に豊川悦司さんの大ファンなので、総大将役にしびれました。合戦シーンにも見入ってしまいました。」という、さわっちさんから頂いてますけどねー。
荒木 さわっちさん、凄いですね。本当に。2はなかなか1を超えるのは大変なんですけど、上手く出来ていると思います。
鈴木 その続編が、って話がもうひとつあるんですけども、ラジオネームラップガンさん。「今年の一番は間違いなく『トップガン マーベリック』です。中学生の頃に前作を観て戦闘機が好きになりました。30年近くたっての続編ということで大丈夫なのかなあ?と思って観たのですが、凄すぎました。トムクルーズの存在感もですが、グースとの息子との関係に大感動しました。ルースター役のマイルズ・テラーは、『レッスン』で好きになった俳優です。その『レッスン』とは真逆の映画で役にハマっていたのが、これまた凄かったです。荒木さん、どうですか?」という、ラジオネーム ラップガンさんでした。
荒木 ありがとうございました。ダイちゃんのベスト映画は、私と一緒に来年にしようか。例えば映画ペンクラブとかの団体や、メディアのベスト映画発表もありますので。
鈴木 一応来年にします、はい。
荒木 ということで、ありがとうございました。「私の今年の映画・俳優 ナンバーワン」ということでした。続いては今年の映画界を振り返ってみたいと思います。
鈴木 いいねー!
荒木 まず、日本の現時点における興行収入ランキング。どんな映画が見られたのか? あくまで現在時点ですけどね。
10位が「シンウルトラマン」、9位が「ミニオンズ・フィーバー」ですね。8位が「ファンタスティクビーストとランブルドアの秘密」、これが45億円くらい。
鈴木 おー!それで8位。
荒木 そして7位が「キングダム 遥かなる大地へ」。50億円以上の売上ですね。6位が「ジュラシックワールド新たなる支配者」。5位が上映中の「スズメの戸締り」。4位が「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」。3位が同率なんです、これが。「劇場版 呪術廻戦」と「トップガン マーヴェリック」138億円で同位。1位は186億円の売上です、「ONE PEACE FILM RED」。
鈴木 うわー!すげーなー‼
荒木 (笑)今年の映画界は、日本ではコロナ前の90%くらいに戻ったということなんです。まだ、完全に戻ったとはいえないまでも、「ワンピース」とか「スラムダンク」もあるし、トップガンの活躍もあってすこしずつ回復してきているっていうか、そんな感じですね。
鈴木 「トップガン マーヴェリック」の大ヒットで、洋画ファンもだいぶ帰ってきましたよね。
荒木 そうですね。非常に洋画も好評ですね。それに「アバター」もありますからね。来年は洋画もいいと思います。そして今年振返ると、映画界で亡くなった人達のことを思い出します。
鈴木 あー、年末だなー。
荒木 そうなんですよ。1月6日には、シドニー・ポアチエですね。
アメリカの黒人男性俳優で初のアカデミー賞主演賞でしたね。あとは…3月になると宝田明さんね、「ゴジラ」。青山真治監督 57歳。あとは山本圭さんとか柳生博さんとか居ましたけど、個人的に映画関係じゃないんですけど、5月1日イビチャ・オシムが逝っちゃってね…。あと22日には映画監督石井隆さん。「天使のはらわた」とかね、私非常に好きだった監督ですね。「ヌードの夜」とか。あと、レイ・リオッタ。怖い顔のおじさんですね。
鈴木 はいはい。(笑)
荒木 6月にはフランスのジャン=ルイ・トランティニャン。彼は名優でした。「男と女」。遺作は「男と女 人生最良の日々」2019年だったかな。あと「ゴッドファーザー」でジェームズ・カーン。9月にはフランスの映画監督ジャン・リュック・ゴダール、「かってにしやがれ」。11月には大森一樹監督、これも「ゴジラ」ですけど。11月の終わりには崔洋一監督でしたよね、「月はどっちに出ている」。皆さん、本当に凄い仕事をなさってる方々でしたね。ご冥福をお祈りしたいと思います。
鈴木 本当にそうですよね。
荒木 今年も一年ありがとうございましたという事で、今年最後の作品をご紹介したいと思います。 今年2022年は、あのホイットニー・ヒューストンが亡くなってから19年になるんですが、それを記念したわけではないのですが、彼女の半生を描く映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』が、12月23日公開です。
ダイちゃんには以前観ていただいてますが…。

鈴木 観た、観た。
荒木 喋れなくてね…!喋っちゃいけない、箝口令が敷かれてて…。
鈴木 凄い守秘義務だったからね!見てびっくりしちゃったよ!あの紙見て!
荒木 誓約書、書かされたでしょ!
鈴木 書かされたよ。誓約書!これ本名で書きゃいいんですか?って聞いたら、当たり前ですって言われましたからね!
荒木 (笑)・・48歳で亡くなったホイットニーの栄光と複雑な生涯はもう皆さんご存知だとは思うのであまり言う事もないんですが、彼女は2012年2月、グラミー賞の授賞式の前日に生涯を閉じているんですね。いかがでした?観ていただいて感想は。
鈴木 もうホイットニー・ヒューストンの歴史なんで、ポップミュージックのファンである鈴木ダイはとっくに知ってるだろうと思って観たんですけど、とっくに知っていたそのシーンがより詳しく鮮明に映し出されてて、それから僕が知らなかった、観ないとわからない、えー!?こんなこともあったの!というのも描かれていて…。とにかくホイットニーはベースに教会だとかゴスペルがしっかりあるっていうのがすごくわかるように描かれていて…。
荒木 はいはい。
鈴木 それでいて、同じように教会・ゴスペルがベースにあるアレサ・フランクリンの歌、実力にですね、マイケルジャクソンの大衆性を足して50倍にしたようなスケール感だなと思って…。
荒木 ほんとですね。凄いいい表現だなあ。
鈴木 それでね、80年代で、今話したマイケルジャクソンが居て、プリンスが居て、マドンナ達が居たじゃないですか。その彼ら彼女らに加えて80年代のポップシーンを煌びやかにしてくれた存在が、このホイットニー・ヒューストンという存在なんだなと思っていて、やっぱりホイットニーがいなかったら80年代のポップシーンって今ほど、キラキラしていたなーと振返る事がなかったんじゃなかなっていうぐらいに、ホント!煌びやかな方だったんだなと思った!観て。
荒木 そうですね。監督は、あのケイシー・レモンズ監督。脚本は、『ボヘミアン・ラプソディ』の脚本を書いたアンソニー・マクカーテンって方なんですけど。非常に伝記的な要素と音楽的要素を取り入れて…。
鈴木 上手いよね!描き方が。
荒木 上手いですね。中にはダイちゃんの仰ったような、あまり喋れないちょっとセクシャリティな部分とか…あとは元夫のボビー・ブラウンとの関係とか、娘、養子のこととかね。皆、家族に不幸が続いたこととかね。
鈴木 娘も死んじゃったもんねー。
荒木 同じ麻薬でね。まさに「ザ・ボイス」と呼ばれて、若いうちから成功を収めて。ところが結婚や家族に恵まれず若くして死んじゃうってね。
鈴木 あと名プロデューサーのクライヴ・デイヴィスの出演シーン、ほとんどずっと出てましたよね。
荒木 そうですよね。クライヴ・デイヴィス、演じたのはスタンリー・トゥッチって言う俳優さん。『ラブリーボーン』なんかも出ていた人なんですけど非常に良かったですね。それに 印象に残ったのは、アメリカの国家斉唱…。
鈴木 91年の1月のスーパーボールですよ、あれ!あれ半端無かったですよ。あれ一番ですよ。僕今まで聞いた中で。
荒木 本来なら三拍子の国歌を四拍子に変えたってね。
鈴木 あれ半端無かったわー。
荒木 黒人にとって「星条旗」って複雑で、国歌も複雑なんですけど、この歌で全てのアメリカ国民をひとつにしたということですよね。
鈴木 ひとつにしましたねー。
荒木 そういう意味でいうとダイちゃんもね、言いたかったけど言えないということを強いられて大変だったでしょうけど、それだけの価値もあったと思います。(笑)
鈴木 これは絶対に観て欲しいですね、リスナーの皆さんにもね。
荒木 ホイットニーを演じるのは、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のナオミ・アッキー。この人もどっちが本物かわかんないくらいのね!
鈴木 ブレスのシーンなんかも同じでしたね。ジャストでしたね。びっくりしましたねー。
荒木 文字通り今年の最後を飾る大作です。現在公開中ですので、是非観ていただきたいと思います。「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」ご紹介しました。この後、曲をかけて頂きたいと思うんですが。
鈴木 荒木さんが何度も何度も連呼しているタイトル名の、その曲をかけますから。
荒木 是非よろしくお願いします。
鈴木 はい、はーい。
荒木 というわけで、今年の私の出演は以上で、来年またひとつお付き合いくださいませ…ということで。
鈴木 ほんとに荒木さんの朴訥として中身のあるトーク、大人気ですから来年もお願いしますよ、引き続き。
荒木 (笑)ありがとうございます。
鈴木 風邪ひかないように。良いお年を!

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。